ハイクラス人材の2人に1人が生成AIを業務で活用 業務上の相談相手も「上司よりAI優先」!?

2024.03.21
ハイクラス人材の2人に1人が生成AIを業務で活用 業務上の相談相手も「上司よりAI優先」!?

ハイクラス人材の2人に1人が生成AIを業務で活用していることが、人材サービスのプロフェッショナルバンク(東京都千代田区)の調べでわかった。同社に登録するハイクラス人材(平均年収1197万円、平均年齢47.3歳/2024年1月現在)を対象に聞いた(有効回答数は769人)。
ただ、AIを利用していない人の8割が「今後、活用する可能性がある」と答えており、ますますビジネスでの活用意向が高まっていくことが予想される。

活用している生成AIサービスは「ChatGPT」が圧倒的多数

「生成AIのビジネス活用状況に関する調査」によると、ハイクラス人材に「現在、生成AIを業務で活用していますか」(n=769)と聞いたところ、45%が「活用している」、55%が「活用していない」と答えた。
年齢別にみると、20~30代の活用が52%と最も多く、年齢が上がるにつれて活用率が低下しているものの、60代以上でも40.8%が「活用している」と答えた。幅広い年代に満遍なく普及していることがうかがえる。【図1参照】

図1 生成AIの活用、20~30代が52%と最多(プロフェッショナルバンク調べ)

一方、生成AIを業務で「活用したことがない」と答えた人に、「今後の生成AI活用の可能性はありますか」と聞いたところ、「大いにある」と答えた人は38%、「多少ある」の42%と合わせた80%の人が「今後、活用する可能性がある」と答えた。
活用する可能性が「まったくない」と答えた人はわずか3%にとどまり、今後の活用意向の高さがうかがえた。【図2参照】

図2「今後、活用する可能性がある」80%の人がそう答えた

活用している生成AIサービスをみると、「ChatGPT」が圧倒的に多数だったことがわかった。調査では、生成AI利用者に「活用している生成AIサービス」(n=346、複数回答)を聞いたところ、「ChatGPT」が83%で圧倒的多数を占め、「GPT-4」は有料にもかかわらず第2位(31%)という結果となった。「Bing AI」が26%で続いた。【図3参照】

生成AIの業務上の用途としては「文章の構成・編集」が66%で最も多く、次いで「疑問点の解決」の59%、「新しいアイデア・戦略の創出」の48%と続いた。
また、「プログラミングのコード作成・編集」や「画像・音声・動画の作成」という上級者も、一定数いたことがわかった。

図3 活用している生成AIは「Chat GPT」が圧倒的
図4 生成AIの業務上の用途は「文章の構成・編集」が最多

そうしたなか、生成AIの利用者の約3分の2にあたる68%の人が「生成AIに満足している」(「とても満足している」と答えた8%の人と「満足している」の60%の合計)と答えた。不満があると答えた人は7%(「とても不満がある」と答えた1%の人と「不満がある」の6%の合計)で、1割未満にとどまった。

今後に期待!「撮影した動画を読み込むと同じ作業をしてくれる」

調査では、①生産性 ②新しいアイデアや解決策の提案能力 ③業務上の相談相手——の3つの観点から、生成AIと人間のどちらに優位性があると思うか(n=346)を聞いた。

その結果、①の生産性については、71%が「生成AIのほうがより高い生産性を発揮できる」と答えた。29%の人は「人間」と答えた。その一方で、②の新しいアイデアや解決策の提案能力は、「生成AIのほうが優れている」と答えた人が29%にとどまった。71%もの人が「人間」と答えている。
③の「業務上の相談相手として、生成AIと上司・同僚のどちらが適していると考えますか」の問いには、「生成AIのほうが適している」(n=346)と答えた人が27%。「人間」と答えた人は73%にのぼった。約3割の人が業務上の相談相手として、上司や同僚より生成AIを優先していることがわかった。
さらに、調査では生成AIのオススメの使い方や今後期待していることを聞いてみた。

オススメの使い方では、

「Excelでやりたいことを文章で書くと、関数やマクロを作成してくれる」
「英訳しやすい日本語で指示をするとアウトプットの精度が上がる」
「イメージ画像の作成。ロケやスタジオによる撮影の手間が削減できる」
 などの声が寄せられた。

また、今後期待していることでは、
「回答内容の出所が表示される」
「時間指定で作業をしてくれる」
「作業を撮影した動画を読み込むと同じ作業をしてくれる」
「人事評価など、人間関係に軋轢を生むものを人間の代わりにやってくれる」
「自分の個性を付加できるようになる」
といった声があった。
なお、調査はハイクラス人材(平均年収1197万円、平均年齢47.3歳)を対象に、2024年1月23日~31日にインターネットで実施した。有効回答数は769人。3月4日の発表。