情報システム部門に聞いた! 今後注力したい活動 第1位はコア業務、第2位にAI、第3位はIT人材の不足
ここ数年、ChatGPTなどの生成AIが注目を集め、ビジネスへの活用が期待されている。そうしたなか、情報システム部門が今後、注力すべきと考えている項目で、最も多かったのは「コア業務への転換、専念」(39.3%)だった。
一方、「AIの活用」(37.1%)は第2位だったが、前年(2023年)調査と比べて約3倍と大きく伸びた。多くの情報システム部門で、AIを業務への取り組みを始めていることがわかった。第3位は、「IT人材不足の対策」だった。
ITサービスのソフトクリエイト(東京都渋谷区)の「情報システムの現状とIT活用実態アンケート 2024」でわかった。2024年4月4日の発表。
「AI活用」への取り組み、前年比3倍の伸び
調査によると、「情報システム部門が今後、注力すべきと考えている(注力している最中の)活動」(n=529)について聞いたところ、2024年に最も多かったのは「コア業務への転換、専念」で、39.3%の人がそう答えた。前年よりもやや減少傾向にあったが、3年連続で1位だった。
一方、第2位の「AIの活用」は37.1%で、前年比で約3倍と大きく伸びた。現在、多くの情報システム部門が「AIは注力すべきテーマ」であると考えていることがわかった。
第3位は「IT人材不足対策」で、34.2%の人が答えた。これも継続的に情報システム部門が注力すべきとあげている活動。「情報システム部門に人材不足を感じるか」との問いに対して、「感じている」との回答が2021年度以降、75%ほどで推移している。また、その対策をみると、2024年は「採用活動を実施/検討中」が31.4%で最多となった。人材不足の対策は、採用活動が上昇傾向にある。
しかし、「採用活動を行っているが、うまくいっていない」と答えた人も21.5%と高く、「その分を外部サービスの利用や社内育成などで補っていると考えられる」(ソフトクリエイト)としている。
懸念点はセキュリティ事故や情報漏えい
調査で、セキュリティインシデントの経験の有無を聞いたところ、「経験あり」が45.2%、「経験なし」は54.8%だった。
セキュリティインシデント「経験あり」の内容をみると、「クライアントPCのウィルス感染・サイバー攻撃」と答えた人は最も多く、前年度(2022年度)から0.9ポイント増えて54.8%だった。次いで、「メールからのウィルス感染・情報漏えい」が38.1%(前年比7.6ポイント減)G続いた。
一方、2022年度に比べて増えているのが「ランサムウェア攻撃」(26.4%)や「サーバのウィルス感染・サイバー攻撃」(22.2%)、「ActiveDirectoryへの攻撃」(5.0%)だった。これらの攻撃は企業にとって深刻な被害につながる恐れがあり、対策している企業も多いとみられる。
「それにも関わらず増加傾向にあることから、今後も最新の情報を収集し、さらなるセキュリティ対策を強化していくことが必要といえます」
と、ソフトクリエイトは指摘する。
また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進で、情報システム部門の取り組みの第1位は「クラウド化の推進」、第2位は「ペーパーレス」、第3位は「セキュリティ対策の強化」だった。
なお、調査はソフトクリエイトが運営する情報システム担当向けのWEBメディア「情シスレスキュー隊」のメルマガ購読者で自社のITシステム運用に関与する人を対象に、2023年12月20日~24年1月12日に実施した。有効回答者数は529人。
■関連サイト
情報システムの現状とIT活用実態アンケート 2024調査結果の概要
株式会社ソフトクリエイト