学生の3人に1人が夏休みの宿題に生成AIを活用、最も多く使われたツールは「ChatGPT」

2023.09.05
学生の3人に1人が夏休みの宿題に生成AIを活用、最も多く使われたツールは「ChatGPT」

学生にとっても便利なツールとなった生成AIだが、生成AIの利用に関して、夏休み前の7月4日に、文部科学省が「『初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン』の作成について」と題する通知を、各教育委員会、各都道府県知事、附属学校を置く各国公立大学などに向けて発表した。

学生の活用に関しても話題となっている生成AIに関して、アプリ情報メディア「Appliv(アプリヴ)」が、夏休みの宿題における生成AIの利用実態調査を実施したところ、3人に1人が宿題に生成AIを活用していたことがわかった。

調査によると、夏休みの宿題があると答えた学生の男女533人のうち、34.1%(182人)が生成AIを活用したという。

最も多く使われたツールは「ChatGPT」

実際にどのツールを活用したのかも調査したところ、最多は「ChatGPT(134人)」で、利用者の7割以上が利用しており、その後「Bard」(33人)、「Bing Chat」(31人)、「AIチャットくん」(26人)、「Perplexity AI」(25人)、「宿題ポケット」(25人)、「Stable Diffusion」(21人)、その他(7人)だった。

「宿題ポケット」は、考え方や解き方を導くことを目標とした中高校生向けのAI家庭教師アプリで、学習アシスタントAIが絶対に答えを教えることがないため、チャットを通じて「考える力」「知的探究心」「批判的思考」を磨くことができるという。

生成AIを活用した宿題で最も多かったのは「論文やレポートの執筆」

生成AIを活用した宿題で最も多かったのは「論文やレポートの執筆(103人)」だった。その後は「数学の問題を解くこと(65人)」、「読書感想文の作成(48人)」、「特定の分野に関する調査・分析」(46人)、「外国語の翻訳や文法確認」(41人)、「プログラミングなどの作成・確認」(32人)、「画像作成などの芸術に関する課題」(25人)、「プレゼンテーションの資料作成」(23人)、その他(5人)となっている。

実際に生成は宿題に役立ったのかについては、生成AIを活用した人の85.7%が「宿題がはかどった」と感じたといい、利用した学生の9割近くが、宿題を進めるにあたり役に立ったと考えているようだ。

理由として「情報収集を効率的に進められた」(94人)、「複雑な問題を簡単に解決できた」(65人)、「文章の質が向上した」(58人)がなっている。

一方で、宿題がはかどらなかったと答えた人の理由としては「生成AIの回答や提案が不正確だった」「自分の学習理解が浅くなった」「情報の信頼性に疑問を感じた」「操作が難しかった」「得られる情報が宿題に合わなかった」がなっている。

学校や親からは肯定的な意見が7割

夏休みの宿題に生成AIを活用することについて、学校や親からどのような意見があったのかを聞いてみると、「制限された」が32.6%、「制限されなかった」が67.4%と、肯定的な意見が意外にも多かった。

生成AIを取り巻く環境は、日々変わっており、来年の夏休みには活用する学生が増えるのか?それとも規制により減るのか?注視していきたいと思う。

■関連サイト
学生533人の夏休みの宿題と生成AIに関する調査レポート
ナイル株式会社
Appliv