まだまだ途上!? 【1000人調査】生成AI、22.2%の人が「普及がよいとは思わない」と回答

2024.03.02
まだまだ途上!? 【1000人調査】生成AI、22.2%の人が「普及がよいとは思わない」と回答

「生成AI」がふだんのニュースをにぎわすようになってきたが、フツーの人はどのように思っているのか、世間ではどんな意見が飛び交っているのだろう――。
そこで、日本トレンドリサーチを運営するNEXERと株式会社CREXiAが共同で、全国の男女1068人を対象に「生成AI」について調査。生成AIの印象を聞くと、全体の22.2%の人が、「生成AIの普及が良いとは思わない」と答えていることがわかった。「生成AI」は今後、社会を大きく変える可能性を秘めている一方で、危険性にも目が向けられている。

「生成AI」をどう思う?

従来のAIが学習済みのデータを基に適切な回答をリサーチして提示するのに対して、「生成AI」はゼロから1を生み出す技術だ。そんな「生成AI」という、新しい技術が普及しつつあるなか、調査で「あなたは『生成AI(画像やイラストや文章など)』を知っていますか?」(n=1068)と聞いたところ、38.8%の人が生成AIを「知っている」と答えた。
最も多かったのは、「名前だけは知っている」と回答した人で、48.3%だった。「まったく知らない」と答えた人も12.9%いた。

図1 生成AIの普及が「良いとは思わない」と答えた人は22.2%だった(日本トレンドリサーチ調べ)

次に、「生成AIを知っている」と答えた人(n=414)に、「生成AIの普及について、どう思うか」聞いたところ、31.6%の人が「良いと思う」と答えた。最も多かったのは、「どちらかと言えば良いと思う」と答えた人で、46.1%と半数に迫った。合わせて77.7%と8割近くの人が、生成AIの普及について「良いと思う」と答えている。
その一方で、22.2%(「良いとは思わない」4.6%と「どちらかと言えば良いと思わない」17.6%の合計)と、2割を超える人が「生成AIの普及が、良いとは思わない」と答えていた。【図1参照】

生成AIが「良くないと思う」ワケは……

生成AIの普及について「良いと思う」と答えた人に、その理由を聞いたところ、
「使ってみると、とっても便利」(60代男性)
「自動化したり、作業時間の削減に使えるから」(20代女性)
「絵を描けない人や文章が書けない人でも、AIの助けを借りて手軽に描ける、書けるようになるから」(50代男性)
などの声が聞かれた。

また、「どちらかと言えば良いと思う」と答えた人の理由は、
「積み上げられた技術。問題はあると思うが、可能性が広い」(50代男性)
「さまざまなことが素早くできるようになり、タイムパフォーマンスが上がるから」(20代女性)
「時間のかかる作業を任せることができるから」(50代男性)
「うまく活用すれば凄い技術。悪用対策も必要」(50代男性)
「便利になっている一方、画像AIとかは権利侵害とかが起きているから」(20代男性)
などと答えた。
「とても便利だから」「作業効率がよくなるから」といった意見が多かった。

その一方で、生成AIの普及が「どちらかと言えばよくないと思う」と答えた人に、その理由を聞いたところ、
「人間・人類の考える力を退化させかねない」(60代男性)
「イラストや文章など、これまで人間が努力で手に入れてきた技術が価値のないものになってしまいそうだから」(40代女性)
といった意見がみられたほか、「良いとは思わない」と答えた人の理由では、
「簡単にイラストが描けてしまうので、それを自作発言する人がいる」(30代女性)
「個性がない、人間の技術が衰退しそう」(50代男性)
など、「これまで人間が努力してきたものが失われそう」といった意見が多く見られた。また、「その道の職業の人が、職を奪われると思う」などの声もあった。

生成AIは便利な一方で、人間の活動領域を狭めるのではないかと考える人もいるようだ。

42%の人が「生成AIを使用したことがある」

調査によると、「生成AI」を知っていると答えた人(n=4141)に、「生成AIを使用したことはありますか」と聞いたところ、使ったことが「ある」と答えた人は42%。「ない」は58%と、まだ約6割の人は「使ったことがない」と答えていた。【図2参照】

図2 生成AIを「使用したことがある」人は42%(日本トレンドリサーチ調べ)

生成AIを使ったことがある人(n=174)を対象に、「どのようなことに使いましたか?」と聞いたところ、最も多かったのは「プライベート」と答えた人で、58%と半数以上を占めた。次いで、「仕事・業務」の22.4%。「その他」は2.3%だった。

さらに、「具体的にどのように使ったのか? 使った理由は?」との問いに、
「『お絵描きに使った』どんな技術か試してみたかったから」(50代男性)
「『調べもので使った』どこまでしっかりした答えが出せるか興味があったから」(40代男性)
「『お得なスマホプランを比較してもらった』生成AIは客観的な意見を出してくれるから」(40代男性)
「『謝罪文の作成』AIの答えも参考にしたかった」(40代男性)
「『ホームページを作る際に、必要な画像をAIに生成させた』自分が求めるような写真が見つからず、AIに作らせたほうが早く、納得のいくものを手に入れられると思ったため」(10代男性)
「『文章を作成させた』どんなレベルの文書を作るのか確認したかった」(50代男性)
などと答えた。

「生成AIで、どんなことができるか、どこまでできるか」を、確認するために使用したという人が少なくなかった。
なお、調査は全国の男女を対象に、2024年2月8日~13日にインターネットで実施した。集計対象人(サンプル)数は1068人。2月16日の発表。

■関連サイト
日本トレンドリサーチ
株式会社CREXiA