LIFULLの生成AI活用、半年間で20,000時間以上の業務時間を創出

2024.04.25
LIFULLの生成AI活用、半年間で20,000時間以上の業務時間を創出

不動産・住宅情報や地方創生、介護サービスのLIFULL(東京都千代田区、経済産業省が定めるDX認定事業者)は、2023年8月から自社で推進している生成AIの活用で、23年10月~24年3月の半年間に、同社の正社員・契約社員(単体、649人)の71.8%(466人)が「活用」、合計で2万732時間の業務時間の創出を実現したと、2024年4月15日に発表した。
また、業務時間を創出できている従業員のうち、52.7%にあたる342人は、生成AIの活用によって「業務の質も向上した」と答えた。

71.8%の人が「生成AIを活用して業務効率化できている」

LIFULLによると、社内で生成AIを活用することで、正社員と契約社員649人の総勤務時間の3.5%に当たる2万732時間を、新たな業務時間として「創出ができた」という。
創出できている時間は1か月あたり「月間4時間未満」が36.5%(237人)と最も多いが、「月間8時間以上」創出できている人も13.7%(89人)おり、新たな業務時間の創出をけん引しているのがわかる。「4時間以上8時間未満」と答えた人は21.6%(140人)だった。
また、「0時間」という人が28.2%(183人)いた。【図1参照】

図1 創出できている時間は1か月あたり「月間4時間未満」が36.5%で最多(LIFULL調べ)

業務時間を創出できている従業員のうち、全体の52.7%にあたる342人が生成AIの活用によって「業務効率化できて、業務の質も向上した」と答えた。一方、「業務効率化できたが、業務の質は向上していない」と答えた人は19.1%(124人)、「業務効率化できていないが、業務の質が向上した」という人は1.5%(10人)だった。「生成AIを活用できていない」は26.7%(173人)。【図2参照】

図2 「業務効率化できて、業務の質も向上した」と答えた人は52.7%(LIFULL調べ)

生成AIの活用シーンをみると、「文章・資料の作成/編集/添削」が最も多く、業務時間を創出できている従業員の59.9%にあたる279人が活用。次いで、「調査/検索/情報収集/情報の整理/データ分析」の45.5%、「アイデア出し/壁打ち/比較検討」が44.2%で続き、活用率が高い状況にある。【図3参照】

図3 生成AIの活用シーン「文章・資料の作成/編集/添削」が最多(LIFULL調べ)

さらに調査では、生成AIの社内活用によって業務時間を創出したことで、目標達成につながる「コア業務比率」が前年同期と比べて3.6%~6%ほど向上していることがわかった。

図4 業務時間を創出したことによる効果は……(LIFULL調べ)

2023年5月、生成AIの専門チームを発足

LIFULLでは、2022年3月に「DX認定事業者」の認定を取得(24年3月に更新)。事業領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用したビジネスモデルの方向性を示すと同時に、社内システムや社内オペレーションの領域でも生成AIをはじめとしたデジタル技術による社会変化への対応を感度高く実行しつづけている。
2023年5月から生成AIの専門チームを発足。同6月に発表した「LIFULL HOME’S ChatGPTプラグイン」、8月の「接客サポートAI by FRIENDLY DOOR(BETA版)」、11月の「AI ANSWER Plus(ベータ版)」など多くの取り組みを発表してきた。
同時に、「通常の業務で利用する表計算ソフトなどと同じように、すべての社員が日々の業務の中で当たり前に生成AIを利活用し生産性を向上している状態を作り出すこと」を目的に、社内での生成AI利活用推進プロジェクトを組成。各職種、各部門から生成AIの活用におけるリーダーを選出し、すべての部門で生成AIの業務での活用を積極的に推進している。

生成AI活用促進のための取り組みをみると、まず「環境の構築」ではChatGPTを利用した社内用生成AIのツールを構築することで、機密情報保護の観点をクリアにすると同時に、社内特有のユースケースや疑問点を自己で解決できるようにした。
また、このツールの構築を担う生成AIの専門組織に加え、ツールの活用を推進する有志のプロジェクトが組成されたことで、活用の意識づけや早期の活用フォローを行うことができている。
その他にも職種や業務特性に則して各論での利用促進を図るために、部門ごとの生成AI活用推進リーダーを31人擁立し、網羅的な利用促進に繋げることができている。
「活用意識とスキルを高める仕組みづくり」では、従業員が自ら、どの程度生成AIを活用できているかを計測する「活用度診断」を定期的に実施。活用度が低い従業員に対して生成AIの利用フォローを行う「サポートプログラム」を受講する仕組みを整備した。
さらに、診断によって活用度が高い従業員を表彰する「Generative AI Award(通称GAIA)」を月一回実施することで、優良事例の水平展開とともにモチベーションの向上にも繋げている。【図5参照】

図5 LIFULLの生成AI活用促進のための環境構築と仕組みづくり(LIFULL調べ)

不動産業界全体のDX推進を展望する

LIFULLは、「DX認定事業者として生成AIの活用を高めていく」ことが自社内の業務時間の創出に寄与するだけではなく、生成AIの活用のノウハウを蓄積し、社外に対してのDX推進にも繋げることができるとしている。
2024年3月に賃貸仲介業のハウスコムと「不動産DXパートナーシップ協定締結」を結んだように、過去の慣習からアナログな手法が根強く残っている不動産業界でも、LIFULL社内での生成AIの活用ノウハウを生かした新たなサービスが提供できると考えている。
生成AIの取り組みの成果を自社内に止めず、不動産業界全体のDX化を推し進めていくノウハウの一つと捉え、引き続き先頭に立ってDX推進に取り組んでいく。

LIFULL 執行役員CTO(Chief Technology Officer)の長沢翼氏は、
「多くの社員の積極的な生成AIを活用によって、顕著な生産性の向上が見られました。特に、プロジェクトメンバーの力強い推進と浸透のための努力、新技術を積極的に受け入れた社員一人ひとりの活動の成果として、プロジェクトが大きな成果を上げたことを、とてもうれしく思います。社内外でのAIの積極的な活用を通じ、さらなる成長と社会への貢献を目指していきます」
とコメントした。

なお、生成AI活用の社内調査はLIFULL(単体)の正社員・契約社員を対象に、2024年3月18日~26日にアンケート。

■関連サイト
株式会社LIFULL