AI導入、できるところから始めよう!「経営者が集う実践セミナー」を開催

ChatGPTや画像生成AIなど、生成AIは日々進化を続けている。にも関わらず、「使いこなせる自信がない」「何ができるのか分からない」といった声が多いのもまた事実だ。
そんな現状を受けて、都内で『AIが変える働きかたビジネスセミナー』が開催された。
本セミナーでは、プロイノベーション代表取締役でありITジャーナリストの久原健司氏が講師を務め、経営者を中心とした参加者に「AIを活用した業務改善」の具体的手法をレクチャー。活発な質疑応答も交え、実践的な内容が展開された。
52%が「AIで業務改善したい」と回答も、導入率は24%止まり
冒頭では、日本企業のAI導入の現状が紹介された。PwCジャパンのレポートによれば、経営者の52%がAIを業務改善に活用したいと考えている一方、実際の導入率は24%にとどまっているという。
このギャップの背景には、「成功体験の不足」や「導入に対する漠然とした不安」があると分析され、AI導入の第一歩として“タスクの細分化”や“業務理解の深化”が重要であるとされた。
実践テーマは「小さく始める」こと。タスクの細分化がカギ
中盤では、参加者が「自分の業務にどうAIを取り入れられるか」を具体的に考える時間が設けられた。
キーワードとなったのは「タスクの細分化」である。
たとえば、「資料作成」とひとくくりにするのではなく、「情報収集」「裏づけ調査」「骨子作成」「スライド作成」といった具合に分解し、それぞれに適したAIツールを当てはめていくという手法が紹介された。

「Chatwork期限切れタスク通知の自動化」「ChatGPTでキャッチコピーを考える時間を短縮」といった具体的な活用例が共有され、生成AIを“業務の一部として組み込む”イメージが描かれた。
「これならできそう」参加者の変化と気づき
印象的だったのは、AI活用に対して不安を抱いていた参加者たちが、セミナーを通じて「自分にもできることがある」と前向きな姿勢へと変化していった点である。
「無料で使えるツールもあると知って安心した」
「他の人の使い方を聞いて、応用できそうなアイデアが湧いた」
「奥さんへの感謝の手紙をChatGPTに作ってもらっているという話が面白かった」
といった声が寄せられ、技術面だけでなく心理的な壁を乗り越えるヒントが多数共有された。

さらに、セミナー後には「Discordを使った相談窓口の設置」や「AI活用のパーソナルトレーニングの実施」といった継続的なサポート体制も提案され、参加者の安心感を後押しするかたちとなった。
AIは“ツール”。だからこそ、業務理解が出発点
AIは魔法の道具ではない。活用するには、自分の仕事を理解し、どこにAIを使えば効果的かを見極める必要がある。
今回のセミナーでは、それぞれの業務に合わせた“等身大のAI導入”が学べた。
「自分の働き方に、どんな変化を起こせるか」——そんな問いに向き合いたい人にとって、貴重なヒントが詰まった時間となった。