AIがこれからのビジネスに必要な理由AIの歴史
これからのビジネス(経営)にAIは必要です。なぜ必要なのか、その理由を紹介していきましょう。この話は4回に分けて進めていきます。
まず、AIの歴史について紹介します。次に、チャットGPT の仕組み、得意なことや不得意なことを解説します。そして、AIを活用するメリットとデメリットをお話しします。最後にAIを活用したビジネスの検討についてご提案いたします。
AIとは?
まず「AIとは?」という話ですが、AIとは人工知能のことです。ここでは、AIの正体を質の良い計算機とします。そして、AIの定義は計算機科学の一分野を指すものです。
AIというと、扱うのにものすごく難しいとか、高級なもの、遠い存在のように感じていらっしゃる方も多いかもしれませんが、スマホや計算機のちょっと上位版というぐらいの認識でイメージしていただくと、今後AIを扱う上でかなりハードルが下がってくると思います。
AIの歴史とAIブーム
実はAIの歴史も結構長いのです。1956年、ダートマス会議でジョン・マッカーシーという人が初めて「AI(人工知能)」という言葉を使いました。この時が第1次AIブームということになっています。しかし、このブームはごく短期で終わってしまいました。
次に第2次AIブームが起こるのは1980年代です。「エキスパートシステム」という専門的知識の回答ができる、AI研究から生まれたコンピューターシステムが活用され始めました。具体的には、ちょっと具合が悪いなと思ってお医者さんに行ったときのように、「熱がある」「咳が出る」といった症状から判断をして薬を出すというシステムです。お医者さんがいないところで薬を渡すためには、このようなシステムがあればいいということで、開発途上国など医者の少ないところに、このエキスパートシステムが導入されました。どの薬を飲めばいいかがわかるようになったことで、亡くなる方がかなり少なくなったので、「これはすごい」となったのですが、ちょっと問題があったのです。それは、情報が手入力で、ものすごく大変な作業だったため、コストが合わないとなり、第2次AIブームがスッと消えていきました。
2010年になると第3次AIブームが来ました。これが今も続いているのですが、「ディープラーニング」という技術です。「AlphaGo(アルファ碁)」という囲碁AIが、プロに勝ってしまった。ここで、 AIは人間の脳を超えたのではないかということで、第3次AIブームが始まったのです。
画像認識でも、AIが人間を超えたのではないかといわれています。 Googleが2012年にディープラーニングによる画像認識の研究を行いました。 特に有名なのが「猫」という研究で、インターネットから取ってきた大量の画像をAIに学習させることで、 「猫」に該当する画像を認識することができるようになりました。
2012年の画像認識コンペティションでは、エラー率を16を叩き出し、圧勝。その後もエラー率は継続的に低下し、2014年には6.7%、2015年には4.8%となりました。
一般的に人間の画像認識エラー率は約5.1%と言われているので、この時点で人間を超えたことになります。
ここで、いよいよAIの時代が来たということになりました。どんどんAIの製品が出てくる中で生まれたのが、生成AIです。AIの中のひとつですが、主に物語を作ったり、絵を描いたり、音楽を作ったりすることができます。過去のデータから勉強して作り出しているため、全く新しいものを生む創造力はありません。過去のデータから学んだパターンをもとに作っているので、人間のように感じたり、考えたりするわけではないのです。
おすすめの生成 AI
そんな生成 AIのおすすめの3つを紹介します。
物語:ChatGPT(テキスト、メール、プログラム)
テキストやメール、プログラムなどの分野はChatGPTが得意です。
画像:Stable Diffusion, Adobe FireFly(商用可)
画像に関してはStable Diffusionがよく知られていますが、商用利用する際に、著作権の関係で画像のAIは、まだちょっとグレーなところがあります。一方、AdobeのFireFlyというソフトはもともと学習しているデータが著作権切れのものですので、これは安心して商用利用ができます。これを覚えておくと、ちょっと便利かと思います。
音楽:MusicGen(文章+元の音源)
音楽について私が個人的に面白いと思ったのが、メタ社が出しているMusicGenというソフトです。文章と元の音源で、勝手に簡単に音楽ができます。
以上、AIとは何か、AIの歴史、おすすめの生成 AIについて紹介しました。次回は、チャットGPT の仕組み、得意なことや不得意なことを解説します。